顎関節疾患

顎関節疾患

当科では、顎関節疾患について幅広く取り扱っておりますが、特に、顎関節症(顎関節や咀嚼筋<顎を動かす筋肉>の痛み、関節音、口が開かないといった症状を伴います)、顎関節脱臼(高齢者では脳血管障害・パーキンソン病などに継発するとされています)、そして口腔顎顔面外傷や頭部の手術に後遺する顎運動障害などを取り扱っています。
なかでも、顎関節症は、最近マスメディアにたびたび紹介され、一般の方の関心が高まっており、当科への来院患者数も年々増加傾向にあり、現在、初診では来院患者さんの約20%(年間約600名)を占めるにいたっています。この病気は、女性に多く、若年者に急増しており、顎を動かす筋肉に痛みが起こるとともに、顎の関節の動きが悪くなります。また、口を動かすたびに「カクン」「ジョリジョリ」といった音が聞こえたり、口を大きく開けることができなくなることもあります。直接生命にかかわる病気ではありませんが、日常生活に支障を来しますし、精神衛生上も良くありません。

顎関節脱臼手術

顎関節症の診断と治療

顎運動時の痛みや運動不全、関節音などの特徴的な症状によって、ほぼ臨床診断は可能ですが、口腔顎顔面痛との併存症状にも対応しています。
単純X線検査ではわからない関節円板の動きや形態の診断には、MRI検査なども行います。また最近では、顎関節用細径関節鏡が導入され、外来で比較的容易に鏡視検査が可能となり、関節内の病態変化を解明しやすくなりました。
治療法は、筋肉や関節の負担を少なくするとともに、消炎鎮痛剤や弱い筋弛緩剤を投与します。また、スプリントという装置を口の中に入れる治療法は、筋肉の緊張を抑えたり、関節への力の負担を少なくすることができます。さらにこうした治療で効果があがらない場合には、顎関節洗浄療法が効果的(手術成績86.7%)ですし、さらに抵抗性の場合は高周波電気メスを併用した顎関節鏡視下手術(手術成績96.7%)や開放手術を行うことにより、一日も早く病気で悩んでおられる期間を短くするようつとめております。

顎関節疾患の診療体制

当科は、日本顎関節学会認定研修機関であり、指導医2名、認定医4名を擁します。顎関節研究診療グループが中心となって、“何かおかしい”ときには相談に応じさせていただいておりますし、検査、診断、治療および予後判定について総括的なマネージメントを行っています。
水曜日午前8:30からの顎関節症の専門外来にて診察いたします。 主担当医は、日本顎関節学会指導医・日本口腔顔面痛学会指導医・日本睡眠歯科学会指導医の川上哲司です。

 

初診日時のご案内

歯科口腔外科・口腔ケア外来|奈良県立医科大学附属病院 (naramed-u.ac.jp)
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診療時間:午前9時~
休診日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)