口腔ケア

当部門の紹介

当科では平成25年4月より専門外来として口腔ケア外来を開設いたしました。当外来では、術後の合併症予防やがん治療中の副作用軽減を目的に口腔ケアを行っております。主に歯科衛生士による専門的口腔ケア(器械を使った歯面清掃、ブラッシング指導など)が中心となりますが、歯科治療や義歯作製、摂食嚥下リハビリテーションも行っております。
まずは、お身体やお口の中の状態をうかがい、患者さんやご家族、主治医の先生、他の医療者と相談の上、それぞれの状態に応じた口腔ケアのプランを提案させていただきます。
元々、かかりつけ歯科のある患者さんでは、かかりつけの歯科へ紹介させていただく場合もあります。 また、退院後は地域の歯科医院を紹介し、かかりつけの歯科を持ち、継続的な口腔ケアを受けていただくことをお勧めしております。

診療内容

全身麻酔で手術を受けられる患者さん(心臓外科手術、がんの手術:特に食道がん、頭頸部がん、肺がん、臓器移植手術など)に誤嚥性肺炎などの予防を目的に手術前後に口腔ケアを行っております。入院期間中は、安全に口から食事をとっていただくまで、歯科治療や義歯作製、摂食嚥下リハビリテーションも行っております。摂食嚥下障害リハビリテーションは院内NST注1)と連携し行います。
(2014年12月1日から術前後の口腔ケアは周術期管理センター口腔機能管理部門で行っております。)

抗がん剤治療を受けられている患者さんには、治療中に生じる口腔内の問題(口内炎、味覚障害、口腔乾燥など)に対して症状軽減を目的に口腔ケアを行っております。口腔内の問題で抗がん剤治療を中断することのないように管理いたします。また抗がん剤治療中の歯科治療や抜歯などに関してもご相談をお受けしております。

脳卒中や神経疾患などを患っている方や人工呼吸器管理をされている患者さんなど、ご自身で口腔清掃が困難となられた方には、看護師など他の職種と協力し、病棟での口腔ケアを行っております。 人工呼吸器管理をされている患者さんの口腔ケアは院内RST注2)と連携の上で行います。

骨髄移植を受けられる患者さんは口腔内の副作用として、口腔粘膜炎や免疫力の低下に伴う歯周病の悪化(歯肉の腫れ、出血など)が問題となります。移植前から口腔ケアを行い、歯周病を治療することで、それらの予防に努めます。移植後に長期にわたり免疫抑制剤やステロイドを内服される方は感染しやすくなるため、より口腔内の細菌を減らすことが重要となります。そのためにはかかりつけ歯科医院を持っていただき、定期的な受診をしていただくようご紹介しております。

骨転移の治療薬を使用される患者さんには、薬剤の副作用として言われている顎骨壊死を予防する目的で口腔ケアを行います。顎骨壊死の原因の一つに口腔内の細菌による感染が言われているため、できるだけ口腔内細菌を減らすことが重要であるかたです。また顎骨壊死発症の原因となる可能性の高い歯(重度の歯周炎の歯や根の先に病変がある歯など)は薬剤投与前に治療や抜歯をし、投与後も継続した口腔ケアを行います。薬剤投与開始後、副作用も見られず、安定した場合は、かかりつけ歯科医院での定期的な受診をお勧めさせていただいております。

注1)NST:Nutrition Support Team(栄養サポートチーム)
医師、口腔外科医師(歯科医師)、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師などの専門スタッフが協力し、安全かつ、効果的な栄養療法を提供し、早期回復をサポートするチームのことです。

注2)RST:Respiration Support Team(呼吸サポートチーム)
医師、口腔外科医師(歯科医師)、看護師、臨床工学技士、理学療法士などの専門スタッフが協力し、専門的知識を持ち寄り、院内における呼吸療法が安全で効果的に行われるようにサポートするチームのことです。

 

初診日時のご案内

歯科口腔外科・口腔ケア外来|奈良県立医科大学附属病院 (naramed-u.ac.jp)
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受付時間:午前8時~午前11時
診療時間:午前9時~
休診日:土曜日、日曜日、祝日、年末年始(12月29日~1月3日)