周術期口腔機能管理

周術期管理センター口腔機能管理部門

当院周術期管理センターは、多職種(歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、外科医、麻酔科医、看護師、薬剤師、理学療法士、作業療法士、臨床工学技士、管理栄養士、臨床心理士、歯科衛生士、医療ソーシャルワーカー、事務など)が協力し診察を行うセンターとして、日本で他施設に先駆けて平成26年12月に開設いたしました。当院で手術を受けられる患者さんが、安全で質の高い周術期管理を受けていただけるよう、多職種が協力してサポートさせていただくセンターであります。
当科は口腔衛生管理部門として歯科医師および歯科衛生士、歯科技工士が参加し、1.口腔内の細菌が原因となる感染症の予防 2.術後の口腔機能評価と機能回復の支援 3.気管挿管時の歯・口腔粘膜の損傷予防 4.口腔機能管理における病診連携の推進、などがあげられます。

1.口腔内の細菌が原因となる感染症の予防

術前に口腔清掃を行うことで口腔内細菌数を減らし、誤嚥性肺炎や敗血症などの周術期の感染症を予防することができるとされています。
専門的口腔ケアにより細菌が貯留しにくい口腔内環境を作ることができ、病棟での口腔ケアや患者さん自身のセルフケアが容易となります。

2.術後の口腔機能評価と機能回復の支援

手術内容に応じて術後に生じる機能障害を予測し、術前より患者さんや家族にその対処法や術後のリハビリの必要性を説明させていただきます。術後には、咀嚼機能や嚥下機能等の口腔機能の評価を行い、多職種で連携を図りながら機能回復の支援を行ってまいります。

3.気管挿管時の歯・口腔粘膜の損傷予防

気管挿管時の歯の損傷が予測される場合には、保護床(マウスプロテクター)を作製しています。可能であれば動揺が著しい歯牙は事前に抜歯を行います。また、長期で経口挿管が必要となった際には、挿管チューブやテープ固定などで、口腔粘膜や周囲皮膚の損傷・褥瘡性潰瘍が生じることがあるため、口腔内の確認や、挿管チューブの固定位置に関する助言などを行っています。

4.口腔機能管理における病診連携の推進

口腔内の細菌が原因によって引き起こされる合併症を予防するためには、退院後も継続した口腔機能管理が極めて重要であると考えられます。そのために、歯科医師会との連携を図り手術を受けられた患者さんの継続した口腔機能管理を推進してまいります。

 

初診日時のご案内

歯科口腔外科・口腔ケア外来|奈良県立医科大学附属病院 (naramed-u.ac.jp)
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